日本の医療環境は世界でもトップクラス

 

よく、「日本の医療に関する不満」を様々なメディアで見聞きします。とくにインターネットにおいてはその傾向が顕著です。インターネットが普及したことによって、以前までは覆い隠されていた不満が噴出するようになりました。「インターネットという活火山」の影響は計り知れないものがあります。

 

日本人の医療機関の受診回数は、先進諸国の中でもかなり多いです。経済協力開発機構OECD)の調べによると、日本人が診察を受ける回数は、年間12.9回となっています。この数字は、OECD平均(6.6回)の約2倍です。日本には、「医療機関を気軽に受診できる下地」があります。医療機関を受診する回数が多いからこそ、医療に関する不満を見聞きする機会も多いのです。

 

また、医療に関する不満を見聞きする機会が多い理由としては、「他の国と比べたことがないから」ということも挙げられます。当然のことですが、日本の医療しか受けていない人は、日本の医療しか知りません。日本の医療しか知らないということは、「日本の医療にはどのような良い点と悪い点があるか」も知らないということです。

 

他の国の医療を受ければ、日本の医療との違いがわかります。実際に医療行為を受けるのは、他ならぬ自分の身体です。そのため、医療行為を受ければ、様々な違いを文字通り「体感」することになります。他の国の医療を受けるということは、「医療の新たな座標軸」を手に入れるということです。座標軸が増えれば、考え方も大きく変わります。

日本においては、「コンビニ受診(緊急性の低い軽症の患者が救急外来を自己都合で受診する行為」という言葉もあるように、誰でも医療機関を受診することが可能です。しかしながら、他の国においてはその限りではありません。たとえばアメリカの場合、「定められた医療機関」しか受診することはできません(もちろん例外もあります)。アメリカでは、コンビニ受診など夢の話です。

 

これは医療の分野に限った話ではありませんが、「日本における当たり前の水準」は突出しています。その水準の高さが「豊かさ」の元になっているのですが、「生き苦しさ」の元になっているのもまた事実です。日本の医療機関、とくに病院の大半は火の車です。頼みの綱である国民皆保険制度にしても、いつまで続くかはわかりません。このような現状を踏まえた上で、「今の自分にできること」を地道にやっていくことが大事です。