腺がんについて

 

腺がんとは、上皮性の悪性腫瘍の一つであり、腺組織に由来するがんです。腺がんは、特定の臓器だけではなく、各臓器の分泌腺組織に発生するがんのことを指します。一口に腺がんといっても様々であり、肺腺がん・肝臓腺がん・膵臓腺がん・リンパ腺がん・子宮腺がん・精のう腺がん・胃腺がんなどの様々な種類のものがあります。腺がんは、身体中のあらゆる臓器に発生します。

 

腺がんというのは、がん細胞がある程度分化していて、がん実質の構造が一般的上皮構造に類似している群のうち、腺上皮に類似しているものを指します。がん細胞が管腔を囲んで腺様構造を示すものを腺がんと呼んでいるわけです。腺状構造の型によって、管状腺がんや腺房状腺がん、濾胞状腺がんや乳頭状腺がんなどの種類に分類されます。

 

腺がんの母組織は、文字通り「腺」です。腺というのは、特定の物質を分泌・排泄する細胞組織です。腺がんはあらゆる臓器に発生しますが、中でも、胃・腸・肺・乳腺・甲状腺・子宮に発生しやすい傾向にあります。

 

腺がんに相当する腺の良性腫瘍のことを「腺腫」といいます。腺腫の中でも、生物学的に悪性の状態を示すものを「悪性腺腫」と呼んでいます。良性腺腫の場合、他の組織に浸潤することはありません。ですが、腺がんの場合、固形がんと同じように浸潤して転移する可能性があるので注意が必要です。

 

また、がんの診断基準というのは、それぞれ異なります。ある医療施設でがん(悪性)という診断を受けたとしても、別の医療施設では良性という診断を受けたというケースが往々にしてあります。同じ病変を診断しても、がんという診断をする人もいれば、がんではないという診断をする人もいるということです。

 

たとえ同じ種類のがんでも、患者にあらわれる症状はそれぞれ違います。そのため、人によっては、全く違う見立てをするということがあります。「見立て間違い」が起こった場合、患者は適切な治療を受けることができずに、取り返しのつかない事態に陥ってしまいます。

 

がんの診断基準というのは、国によっても異なります。日本でがんと診断された病変が、外国では良性と診断されることもあります(その逆もまた然りです)。日本では外科手術を行うのが一般的なケースでも、外国では積極的な治療(がんを治すための治療)は行わないということも少なくありません。がんの診断基準は、「診断を受けた場所(地域)」によって大きく変わります。

 

がんの診断基準がそれぞれ異なるのは、仕方がないことです。どの基準が正しくて、どの基準が間違っているのか、間違っているとしたら、どこの部分がどの程度間違っているのかということを明文化することはほぼ不可能です。がんは「刻一刻と姿形を変える複雑怪奇な生物」なので、ケースバイケースで対処していくしかありません。